重要なのは能力の輪を大きくすることではなく、輪の境界を厳密に決めることだ

投資や投機の世界で確実に破滅する方法があるとするなら、それは自己の能力を過信することだと思っています。
たまたま相場がよく連戦連勝、こういった時ほど自己の能力を過信し、ついつい過度のリスクをとってしまうのが人間の常なのですが、その後マーケットから強制退場させられた方は非常に多いように思います。
これらの世界では高いIQが成功の秘訣と考える人も多いようですが、バフェット氏は「投資というゲームでは、IQ160の人間が必ずしもIQ130の人間に必ず勝つとは言い切れない」と突き放しています。
ではどういった人間が、長期的な成功をおさめることができるのか。

投資や投機の世界では、ついふらふらとなる誘惑が絶えることはありません。
分かりやすいところで言えば、仕手株やテーマ株、新興市場のミニバブルなどでしょう。
これらが自分の能力の輪の中にあり、それらを得意分野にしている方であれば問題ないのでしょうが、大概は飛んで火に入る夏の虫という結果になることが多いようです。
つい自分の能力の輪の外に出て甘い蜜を吸いたくなるのが人情ですが、自分の能力が及ばない分野で勝ち続けることができるほど甘い世界でないことは、周知の通りですね。
輪の面積は人の5倍もあるが境界が曖昧という人よりも、輪の境界を厳密に決められる人の方が、長期的に見て裕福になれるようです。

「飛び越えられる30センチのハードルを探した。2メートルのハードルをクリアできる力があったのではない」
誰しも自分の能力を高く見積もりたがるのは当たり前のことだとは思いますが、能力の高さがその人間の価値を決める訳でもありませんので、気にする必要もないでしょう。
投資の世界に見送りの三振はありませんので、自分の得意とするボールが来た時だけバットを振るというルールを厳密に守ることが、資産を守り殖やすことに大きく貢献するような気がしているのですが、どうでしょうか。


By Admin|2015年7月6日|2015年,ニュースリリース|


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