瀬戸内国際芸術祭

2016年の秋、間もなく瀬戸内海の小さな島々で『瀬戸内国際芸術祭』秋編が始まります。2010年から始まった芸術祭は現代アートの祭典の火付け役ともなり、今年で3回目。会場となっているのは、アートの島とも言われる直島、豊島、桃太郎の鬼ヶ島伝説で有名な女木島、小豆島、犬島、本島、高見島、淡島、伊吹島といった瀬戸内海に浮かぶ島々です。この芸術祭は春、夏、そして秋に開催されるのですが、秋の祭典は108日から始まります。

 

瀬戸内海の歴史は古く、8世紀には既に中心的な交通路の役割を担っており、中国や朝鮮へ向かう遣唐使などの重要な交通路にもなっていれば、室町時代には日明貿易における大陸との主要な交易の交通路としての役割も果たしてきました。海上交通路が整備され活気づいてきた瀬戸内地方は、江戸時代になると新田開発が促進され米、麦、大豆、綿といった商品作物の栽培が盛んになり、商品経済が発展し、同時に瀬戸内海の流通経済は活性化していきました。しかし、明治時代に入ると、蒸気船や鉄道などの陸路交通の発展が進み、瀬戸内海の賑わいを見せていた寄港地は、徐々に衰退の道を進むことになります。

昭和に入り、瀬戸内は工業地帯として名を馳せるようになったものの、かつての賑わいは次第に薄れ、瀬戸内海に浮かぶ島々ともなると、今の日本の地方が直面している共通的な問題、人口減少と高齢化といった問題に直面しています。一方で、穏やかで美しい瀬戸内海に囲まれ、かつての歴史的な興隆の中で育まれた島々固有の歴史や文化は息絶えることなく、今なお存続し、島々に根付いています。

 

そのような地で開催されるアートの祭典では、多くの芸術家の作品を観て感じることができます。島の自然や古い民家とアートが融合し、独特の雰囲気を醸し出します。それを体感しようと、内外から多くの人が島々に足を踏み入れ、自然を肌で感じ、豊かな感性で文化や芸術に触れることができる機会を存分に堪能するのです。芸術・伝統文化・風光明媚な自然が融合し、それを目指し、多くの人々の往来が生じることは、問題が山積する地方に新たな風を吹き込むよい機会になるのかもしれません。

 

 


By epAdmin|2016年9月27日|2016年,ニュースリリース|


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