数字のマジック

仮に2つのファンドがあるとして、両ファンドとも複利運用した場合、AファンドとBファンド、どちらが2014年末時点で、成績が良いでしょうか。

Aファンド・・・2011年 プラス10%
2012年 マイナス70%
2013年 プラス60%
2014年 プラス80%

Bファンド・・・2011年 プラス10%
2012年 プラス10%
2013年 プラス10%
2014年 プラス10%

単純に足し算で計算しますと
Aファンド:10―70+60+80=80%
Bファンド:10+10+10+10=40%
となり、Aファンドの方が優秀なファンドといえそうですね。
ところが、これは数字のマジックで実際はこのようになりません。
実際はどうなるかといいますと、
Aファンド・・・1.1×0.3×1.6×1.8=0.9504
Bファンド・・・1.1×1.1×1.1×1.1=1.4641
となり、Aファンドは一見華やかに見えますが、実際は約マイナス5%となり元本割れの状態ですね。
一方Bファンドは一見地味に見えますが(年10%のリターンを続けることは素晴らしい事ですが)、約46%の値上がりですので、決して悪くはないでしょう。
また、この年10%のリターンが一定期間以上続いた場合、その期間が長ければ長いほど、複利の威力でものすごい数字になることは、計算してみるとよく理解できると思います。
ここでは極端な数字を用いていますが、長期での運用を考えた場合、華やかさよりもマイナスがない事、またあったとしてもその値幅が少ない事を重視してみるのも一つの方法だと思います。
Aファンドをマイナス70%の直後にドンピシャで買えればそれが一番ですが、それを狙ってできるようであれば、だれも苦労しませんね(^_^;)
実際にリーマンショック時に自分がどのような行動をとったかを振り返ってみると、頭で考えていることと実際に取った行動とのかい離が見えて、面白い発見があるかもしれません。
大当たりを狙うよりも、急がば回れでコツコツと堅実に積み重ねる方がより遠くへ行ける気がするのですが、いかがでしょうか。


By Admin|2015年4月22日|2015年,ニュースリリース|


Page Top
error: Content is protected.