世界の人口、80億人!

国連の推計によりますと、今月で、世界の人口が80億人を突破したそうです。
大戦のあった時期を除いて世界の人口は、1215年ごとに10億人づつ増えているというのですが、
日本では21世紀に入ったあたりから人口減少の傾向が続いているので、何だか不思議に思えますね。
国連の予想では今後も順調に増え続け 、2086年に104億人でピークを迎え、今世紀中はその水準を
維持するだろうとしています。

その予想の根拠となっているのは、人類全体の平均寿命の延びや、母子の死亡率の低下、そして
インドや南アジアの一部、アフリカ諸国などの、出生率の高さです。
インドは、来年には中国を抜いて、世界で最も人口が多くなると見られています。
またパキスタンやフィリピンの他、アフリカ大陸のエジプト、ナイジェリアにエチオピア、
タンザニア、コンゴなどでも大幅に増加し、2050年までにはアフリカの国々だけで24億人を超える
と見込まれていて、その通りであれば、世界の人類のなんと、4人に1人がアフリカの人になるという
計算です。

しかしそれらの国々は発展途上国がほとんどで、増え続ける人口を充分に養うだけの国力に欠ける
場合が多いのです。
すなわち、国民すべてに必要最低限の教育と、生活の糧となる仕事を与えることが難しく、食糧不足
の問題もまた悩ましいということです。
一方で、日本や欧米の国々では少子化が深刻なレベルまで進んでいて、未来社会の担い手はおろか、
今現在の労働力の確保にさえ苦慮しているありさまです。

そこで注目を集めているのが、人口が増え続けている途上国の人々です。
しかもただ多いというだけでなく、若年層の割合が高いため、労働市場としても、未来の消費市場
としても、大変魅力的だと考えられているわけです 。
例えば、今、最も需要が高いIT 業界では、インド人のエンジニアが引っ張りダコになっています。
インドの厳しい社会制度の中で鍛えられた若者たちは優秀で、かつてイギリスの植民地であったこと
から英語が準・公用語にもなっているので、言葉が壁になることもなく、世界中の企業に散って大活躍
しているのです。
英語が使えるのが強みというなら、フィリピンの人々も同じです。
こちらはアメリカの植民地時代に英語が普及したからですが、やはり平均年齢が若く、注目の的です。
この2国は「即戦力」ですが、教育次第で、膨大な人口を抱える他の途上国も、未来の人材の宝庫に
成り得ます。

食糧問題についてはどうでしょう?
地球上の一部地域では食糧が有り余って無駄になっているのに、他方では餓死者が出るほどに不足
しているという事実。
そのバランスの悪さ、偏りを均等に均(なら)すことは出来ないのかと、非常にもどかしく思います。
最近、よく聞かれるようになった「フードロス」を無くす試みは、ごく狭い地域社会において個別に、
少しづつ始まっているようですが、これがもっと大きく、ワールドワイドな枠組みで行われる必要が
ありますね。

それでなくとも、地球規模で起きている異常気象やつまらない戦争の影響で、小麦やトウモロコシの
生産量が落ち込んだりして、食糧の全体量が絶対的に不足するという事態も、今後、充分に起こる
可能性があります。
これからは、先述の「労働力」と合わせて「食糧」も、世界全体を見渡して、必要な所に必要な分
だけを、滞りなく配分するような仕組みが出来れば良いのにと、切実に思います。


By Admin|2022年12月1日|2022年,ニュースリリース|


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