インドネシアはASEAN最大の産油国ですが、原油については輸入超過の状況にあります。
今後、産油量が先細り、内需の急拡大に追いつかなくなることが予想されます。このため、インドネシア政府は、輸出用の製油所を新設し、石油精製産業を育て、石油製品の輸出を増やす方針に転換しました。
現在のインドネシアの石油備蓄量は約12日分(2016年末)です。これに対し、日本の石油備蓄量は約222日分(2017年)です。
インドネシアの人口は2億6,199万人(2017年)で、日本の1億2,709万人(2016年)の2倍超です。
政治経済基盤が大きく安定した現在、インドネシア政府は石油備蓄量を早期に30日分、約4,500万バレルに引き上げる目標を掲げています。
弊社が開発を支援している石油備蓄基地は、この国家目標に基づく、インドネシア経済の発展にとって重要な使命を帯びた開発事業です。インドネシアの2050年の予想GDPが日本を抜いて世界4位に躍り出ることを考えると、タンクを作れば作っただけの需要があると言っても良さそうに感じます。
事業地内には、燃料貯蔵タンクの建設だけでなく、工業用の土地を大手石油会社に貸し出すための埋め立て工事、国内で産出した原油を運んでくる10万トンクラスのタンカーが接岸できる埠頭、埠頭から工場へのパイプラインなどの建設も行われています。
最終工期が完了すると、合計800ヘクタールの、インドネシアでも最大級の石油備蓄基地となります。
弊社の担当者も視察に訪れており、事業が順調に進んでいることを毎年確認しています。
基地全体の敷地の広大さ、各オイルタンクの巨大さに毎回圧倒されます。
石油備蓄基地の開発という、スケールの大きな仕事を通じてインドネシアの経済発展に協力していることに思いを馳せると、身が引き締まると同時に、心が躍ります。