アメリカにて、これまで採掘が困難と言われてきたシェール層からの、シェールガスやシェールオイルの採掘が比較的容易になり、数年以内には、アメリカが世界最大のエネルギー大国になるだろうと言われています。
これにより、現在高止まりしている原油価格が下がることが予想され、日本においてもコストアップ型の悪性インフレへの懸念は、大きく後退するのではないかと思っています。
インフレにも良性と悪性とがあり、極論すれば、物価上昇率よりも賃金上昇率が高ければ、良性のインフレと言え、その逆であれば、悪性のインフレと言ってもいいかもしれません。
エネルギー価格上昇による諸々のコストアップ分を、日本企業はできるだけ価格転嫁せずにやってきておりましたが、それにも限界があるはずです。
過度の円安(行き過ぎた円高の是正に過ぎないと思いますが)は輸入コストを上昇させる悪である、というような論調をたまに見かけますが、シェール革命によりエネルギーコストが下がれば、円安は産業競争力を高める大きな一歩となるのではないでしょうか。
円安になっても輸出総量は増えていない、という統計もありますが、過去に何度もはしごを外された経験上、企業がより慎重に経緯を注視している、という姿勢になるのはそれほど理解に苦しむことではない気がします。
円安・株高・エネルギー価格の低下・良性のインフレetc.となれば、各企業でも「過去最高益」などの好決算を発表する企業がさらに増えてくるのではないでしょうか。
また、現在、賃上げに慎重になっている各企業も、過去の苦い経験上、内部留保を手厚くしておきたいと考えるのは、容易に想像が出来ますし、また、物価上昇と賃金上昇の間にタイムラグがあるのは仕方がないことでしょう。
ところで、自身はタクシーに乗って乗務員さんとお話しする機会が時々あるのですが、「最悪期よりは良くなったかな」と話す乗務員さんが最近は多くなってきています。
「○○さんは、過去最高益らしいですよ」とか「△△さんは、20数年ぶりの純利益らしいですよ」などと話しているうちに、景気の良い大企業さんには、法律でタクシーチケットを大量購入することを義務付ければいいのにね、と冗談半分で話したところ、「お客さん、それは大歓迎ですよ」とニコニコと話してくれたのが、とても印象的でした。
そういう小さなところからでも、消費を促す景気回復策になるのかな?など思いました。