3月20日は上野動物園の開園記念日でした。
上野動物園の人気者と言えば今も昔もジャイアントパンダではないでしょうか。
現在、上野動物園では、2017年6月12日に生まれたシンシンの子、シャンシャンがすくすくと育っています。
シャンシャンの一般公開後、観覧希望者が殺到し、申し込みサイトがダウンするなど大きな話題になりなりました。
お母さんのシンシンは、2012年にも子供を産みましたが、その子は生後2日で死んでしまいました。
今回、シャンシャンを見に行った人たちは、この悲しいニュースを覚えていた人が多かったのかもしれません。
上野動物園は1882年3月20日、当時の農商務省の所管施設として開園しました。
当初は、畜産業の勧業奨励を目的とし、家畜に適した牛や馬、ヤギなどが飼育されていたようです。
4年後には管轄が宮内省に移り、さらに当時の皇太子殿下(後の昭和天皇)のご成婚を記念して東京市に下賜され、現在の「恩賜上野動物園」となりました。
その後、トラ、象などの珍しい動物が増え、市民のレジャー施設へと変わっていったのです。
上野動物園が全国的に注目を集めるきっかけとなったのが、ジャイアントパンダの来日です。
1972年に日中国交正常化の記念に、中国から雄のカンカンと雌のランランが贈られたのです。
この後、上野動物園は毎年700万人を超える入場者数を記録します。
当時の東京都の人口が1,100万人であったことを考えるとたいへんな人数だということがわかるでしょう。
その後、トントン、フェイフェイなど、ジャイアントパンダがやってくるたびに国民的なアイドルになっていきます。
しかし現在、ジャイアントパンダはワシントン条約で国際的な取引が禁止されています。
日本で生まれたシャンシャンも、「生後24か月で中国に返還する」という取り決めが中国との間でなされているのです。
来年にはお別れするわけですが、日本のいい思い出をたくさん持って中国に帰って、日中の国際交流の橋渡し役を担って欲しいものです。