スマホの見過ぎで失明するかも・・・

目でものを見る仕組みは、大まかに言えばカメラと同じです。
角膜(フィルター)と水晶体(レンズ)で目に取り込んだ光を調節し、ピントを合わせ、網膜
(フィルム)の上に像を結ぶ。
遠くのものを見る時には水晶体が薄くなり、近くを見る時には厚くなる。
言い換えればレンズの厚みで屈折率を変えて、きちんと網膜の上に焦点を結ぶように合わせている
わけです。
ところが、その屈折が強すぎて、網膜より手前に焦点を結んでしまう場合があります。
これがいわゆる近視、正確には「屈折性近視」と言います。逆に、網膜より奥に焦点を結んでしまう
のが、遠視です(遠視は決して視力が良いわけではない)。
水晶体は加齢により固くなると、厚くするのが難しくなって手元が見えにくくなりますが、これは
「老眼」です。
水晶体を厚くして近くのものに焦点を合わせるというのは、実はものすごく力の要る作業なのですよ。
だから、時々は意識的に遠くを見たり、目を閉じたりして目を休ませなければいけないのですね。
・・・ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんの目は、通常はみな遠視気味だと言います。
赤ちゃんの目は、角膜から網膜までの距離=「眼軸長」が短すぎて、焦点が網膜の後ろに行ってしまう
から、だそうで、成長に伴って目が大きくなると、少しずつ眼軸が伸びて、“ほど良く”近視になって
いくのだそうです。

・・・さて、その眼軸長についてですが、近視の種類にはもうひとつ、「軸性近視」というものがある
そうな。
「眼軸」が長すぎる、つまり角膜から網膜までの距離が遠すぎて、焦点が網膜に届かないという状態
です。
これは、遺伝性、先天性の場合に多いケースだそうですが、普通ならピンポン玉のような球形である
はずの眼球が、ラグビーボールのような形に変形してしまうことで起きます。
・・・これがとても危険なのだと聞きました。
眼球が楕円形に変形するということは、網膜が引き伸ばされて薄くなるということで、網膜剥離を
起こしやすくなり、視神経にも障りが出て、最悪の場合は失明してしまうからです。
しかも、一度伸び切ってしまった眼軸は、決して元には戻せないというのですから、怖いです。
先に述べた通り、生まれた時にはまん丸のピンポン玉だった眼球が、成長するにつれ少しづつ眼軸が
伸びて近視が進んで行くのは普通のことなのですが、最初からラグビーボールだと大変です。
成長過程で強度の近視に陥り、失明の危機に晒されます。

ところで、この眼軸の伸びは、普通は大人になると止まるものだそうですが、最近はいい年になって
再び伸び始めて、眼球の「ラグビーボール化」が起こるケースが急増していると、眼科の専門医が
警鐘を鳴らしています。
原因はもちろん、ビジネスシーンで不可欠となったパソコンと、スマホなどの携帯端末の普及です。
長時間、パソコンやスマホにかじり付いて、手元ばかりを見ていると、次に遠くへ目を移した時に、
とっさに焦点が合わなくなります。
軽度であれば、しばらくして元に戻りますが、これが続くと、水晶体が疲れてしまうのですね。
厚みを変えて焦点を網膜上に合わせることが出来なくなってくるのです。
もともと近くを見るためのピント調整は目に負担が掛かるものですから。
それでもさらに近くばかりを見ていると、力尽きて、焦点は網膜の後ろに下がってしまいます。
私たちの目は、それでもなお焦点を在るべき位置に引き戻そうと頑張るのですが、その結果、
先程の焦点が網膜に届かない場合とは逆に、焦点が下がった奥まで網膜が追いかけて伸びてしまい、
眼球が変形するというのですね。
昨今は小・中学生でもスマホ依存が問題になっていて、本来ならまだまだ球形に近いはずの子ども
たちの目にも、早すぎる異変が起き始めているそうです。
1日に何時間も、食事の時間や就寝後までも、スマホを手放せなくなっている人が多いという話は
よく耳にしますが、この話を聞いたら、ちょっと考えて、「スマホを置く時間」を作ってくれる
でしょうか。


By Admin|2023年2月10日|2023年,ニュースリリース|


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