トレンドは、『ニワトリ飼育キット』

卵が足りなくて、その卸売価格が高騰しております。
1年前の2倍近くになっているそうです。
ウクライナとロシアの戦争に関連して、膨れ上がる一方の飼料代や光熱費などの経費を抑えるため、
あるいは新型コロナの影響で外食産業での需要が落ち込んだのに合わせて、鶏卵の生産量を減らして
いたこともあると思いますが、そこに追い打ちを掛けたのが、「鳥インフルエンザ」の流行です。
日本を含め、世界中で広がっていて、養鶏農家は鶏を大量に処分するハメになり、卵の全体の流通量
が激減、一気に希少価値が上がってしまったようであります。
近所のスーパーで卵の陳列棚を見たら、店頭の値段はまだ、ちょっと高めかな?くらいですが、
品数が少なく、棚はすき間だらけで、
『卵の供給が不安定な為、おひとり様、1パックまで。ご協力下さい』 の張り紙が・・・。
日本では今のところまだ、この程度ですが、インフレの度合いが日本のそれとは桁違いに激しい
アメリカでは、一般の消費者がいよいよ困り果て、ある対抗策に出るようになったと聞きました。

アメリカ、ペンシルバニア州の養鶏農家の直売所では、卵12個入りの値段が、日本円で約650円
だそうです。
これは1年前と比べて25%の値上がりだとか。やはりアメリカでも鳥インフルエンザが猛威を
振るっており、卵が不足しているのです。
折からのインフレで、ただでさえ高い値段が、ますます高くなってしまいました。
もちろん、高いのは卵だけではありませんから、家計への負担は本当に深刻です。
そんな中、自分でニワトリを飼って卵を採ろう!という人たちも出てきました。
メリーランド州のある家庭では、去年からペットとして8羽のニワトリを飼い始め、今では18羽に
増えているのですが、毎日12個くらいは卵を採れるので、エサ代を差し引いても、家計の助けに
なるそうな。
また、採卵用のニワトリを、一般家庭向けに『飼育キット』にして販売している業者もあって、
ヒヨコ6羽に、鶏小屋を暖めるヒーターが付いて、約2万1千円。
あるいは育ったニワトリ2羽と、エサと鶏小屋のセットで約8万円ですって。
その業者によると、この『ニワトリ飼育キット』の需要は、確実に増加しているそうです。
・・・なんだか、ミニトマトの水耕栽培キット、みたいなノリですね。
でも、こんなご時世に一般家庭でニワトリを飼っても大丈夫なんでしょうか??と気になって調べて
みたら、アメリカは分かりませんが、千葉県や大阪府の八尾市などの公式サイトで、以下のような
見解が示されておりました。曰く、
「鳥インフルエンザが流行しているからと言って、自宅のペットが直ちに危険というわけではない。
放し飼いは避け、決して野鳥を近付けさせないように気を配り、鶏小屋はこまめに掃除、消毒を行い、
適切に管理していれば大丈夫」、だそうです。
ただし、鶏の健康状態に少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院に相談するようにとのこと。
そして鶏の世話をする時にはマスク着用、手洗い消毒を徹底して行って欲しい、としています。
・・・ちなみに、最近はニワトリの飼育には、たとえペットの1羽でも、自治体への届け出が必要に
なっているのだそうです。
鳥インフルエンザが騒がれるようになってから、そういう決まりが出来たみたいですね。

それにしても、鳥インフルエンザの流行規模が、過去最悪のペースになっているというのはニュース
で聞いておりましたが、それで卵がこんなに品薄になるなんて、初めての事ではないでしょうか。
養鶏業に詳しい大学の先生の話では、冒頭で述べたように、コスト抑制のための計画減産もあり、
悪い条件が重なっているので、卵の供給量が元通りに回復するには1年以上かかるのではないか、
ということです。

・・・余談ですが、「鳥インフルエンザ」とは本来、「鳥類に感染するA型インフルエンザウイルス
が、ヒトへ感染して起こる感染症」という、つまりは人類の病気の名前なのですけれど、巷ではトリ
同士の感染も、そのウイルスのことも、全部ひとまとめに「鳥インフルエンザ」と呼んでいますね。
・・・他に呼びようがないので仕方ないです。
今のところ、トリからヒトへの感染例は、極めて稀なようですが、他所の動物はもちろん、自宅の
ペットに触る時も、充分に注意した方が良さそうです。
・・・それよりも最近、逆にヒトからペットに、病気がうつるケースがあると、話題になっており
ますが、それについては、また別の機会に、稿を改めて書こうと思います。


By Admin|2023年3月10日|2023年,ニュースリリース|


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