健康に長生きするには、普段の食事が大切です。
しかし「本当に体にいい食べ物って何?」「何をどのくらい食べればいいの?」と迷った経験はないでしょうか。
そこで今回は、本当に体にいい食べ物について下記のテーマで調べてみました。
ぜひ参考にしてください。
・科学的根拠(エビデンス)に基づく体にいい食べ物とは?
・科学的根拠に基づく体にいい食べ物5選
科学的根拠(エビデンス)に基づく体にいい食べ物とは?
科学的根拠(エビデンス)に基づく体にいい食べ物とは、信頼の高い研究によって病気のリスクを下げる可能性が高いとされる食べ物のことを指します。
エビデンスの信頼性は「誰に何を食べさせるか」「どのくらいの期間で測定するか」など、研究の方法によって変わってきます。研究の手法にはさまざまなものがありますが、代表的なものは以下の3つです。
・観察研究:食生活や健康状態を長期間追跡して、食べ物と病気の関係を調べる
・ランダム化比較試験:被験者を無作為に2つ以上のグループに分けて、それぞれに異なる食べ物や栄養素を摂取させて、その効果を比較する
・メタアナリシス:複数の研究結果を統合して傾向を分析する
とくにメタアナリシスは、たくさんの研究結果をまとめて分析するため、信頼性が高いといわれています。次ページでは、このメタアナリシスで得られた結果をもとに、体にいい食べ物を紹介していきます。
科学的根拠に基づく体にいい食べ物5選
科学的根拠に基づいて体にいい(=病気や死亡のリスクを下げる)と考えられている食品を5つ紹介します。
・魚
・野菜・果物
・茶色い炭水化物(玄米・全粒粉)
・オリーブオイル
・ナッツ
魚
栄養科学分野の論文を掲載している医学雑誌で発表された研究によると、魚をよく食べる人は、魚を食べない人に比べて死亡リスクが低い傾向が見られました。
野菜・果物
世界4大医学雑誌で発表された論文によると、果物と野菜の摂取量が1単位(約80g)増えるごとに、死亡リスクが低くなる傾向が認められました。
摂取目安の理想は1日約400gですが、難しい場合は少量でもOKです。「旬のフルーツをデザートにする」「野菜の副菜を1品増やす」など、普段の食事に少しプラスできるよう意識してみてください。
茶色い炭水化物(玄米・全粒粉など)
茶色い炭水化物とは、玄米や雑穀、そば粉、全粒粉など精製されていない全粒穀物のことを指します。
茶色い炭水化物を摂取する人は茶色炭水化物をほとんど食べない人に比べて、心血管疾患やがんによる死亡リスクが低くなるようで、白い炭水化物の量を減らして、全粒穀物を1日に少なくとも48g以上摂取することがよいと言われてます。
「白米に玄米や雑穀を混ぜる」「パンを選ぶ際は全粒粉のパンを選ぶ」などを意識してみるとよいでしょう。
オリーブオイル
世界的権威のある総合医学雑誌で発表されたスペインの大規模研究によると、地中海食をベースにオリーブオイルを1日大さじ4杯以上摂取したグループは、脳卒中や心筋梗塞の発症や死亡リスクの減少が認められています。
オリーブオイルは、ポリフェノールを多く含みピリッとした辛みがある品質の高いものを選ぶことが大切です。
ナッツ
地中海食のひとつであるナッツも、先ほど紹介したオリーブオイルと同じ研究で動脈硬化リスクの減少が認められています。
具体的には、ナッツ類(クルミ・ヘーゼルナッツ・アーモンド)は1日に30g程度摂ることが推奨されています。片手でひとつかみ程度が目安です。
なお、ナッツやオリーブオイルを含む研究結果は、地中海食をベースにして得られたものです。地中海の食生活では「魚や生の果物を摂る」「バターやマーガリンを控える」といったことも必要なため、単にナッツやオリーブオイルだけを摂ればいいわけではないことを留意しておきましょう。
以上、からだによい食べ物5選を紹介させていただきましたが、残念ながら「これさえ食べればよい」という万能な食べ物はありません。
どんな物も食べすぎはリスクにつながるからです。
そのため、健康のためには1日3食をバランスよく適量食べることが何より大切といえるでしょう。