進化が進む「がん治療」 の最新事情は?
がんの種類やステージによっても異なりますが、国立がん研究センターの発表では生存率は、多くの部位で向上傾向にあります。例えば、5年相対生存率が90%を超えたがんは、前立腺がん(99.1%)、女性の乳がん(92.3%)、甲状腺がん(91.3%)など。不治の病と言われたがんは、いまや治療可能な病気になりつつあります。そのような最新の革新的ながん治療をいくつかご紹介いたします。

【個別化治療】
一口にがんと言っても、その種類や部位、進行状況、個人の体質や遺伝などで、様々に条件が異なります。
最新のがん治療では、患者のがんの種類、ステージ、遺伝子プロファイルなどを考慮し、個々に合わせた治療法が選択されます。これにより、一人ひとりにあった、効果的な治療を提供することが可能になります。
【免疫チェックポイント阻害剤】
免疫チェックポイント阻害剤は、免疫系が、がん細胞を見つけだすのを防ぐ、がんのチェックポイントをブロックし、免疫系を活性化させる薬物です。これにより、免疫系ががん細胞の増殖を阻止し、攻撃をしやすくします。
【CAR-T細胞療法】
CAR-T細胞療法は、患者自身のT細胞を採取し、がん特異的な抗原に対する受容体を導入し、増幅させた後、体内に再投与する治療法です。これにより、T細胞ががん細胞を攻撃しやすくなります。

【遺伝子治療】
遺伝子治療は、がん細胞の異常な遺伝子を修復または置換する治療法です。これにより、がん細胞の増殖や転移を抑制する効果が期待されます。
【放射線治療の精密化】
最新の放射線治療技術では、がん細胞に対する放射線の照射を精密に行うことができます。これにより、周囲の健康な組織へのダメージを最小限に抑えながら、がん細胞を効果的に破壊します。
【血管新生阻害剤】
血管新生阻害剤は、がん細胞の血液供給を遮断する薬物であり、がん細胞の成長を抑制します。これにより、腫瘍の拡大を防ぎます。
【液体バイオプシー】
液体バイオプシーは、血液中や他の体液中に存在するがん関連の遺伝子や分子を検出する非侵襲的な検査方法です。これにより、がんの進行や治療効果のモニタリングが可能になります。
【人工知能と機械学習の活用】
最新のがん治療では、人工知能と機械学習が大きな役割を果たしています。これらの技術は、膨大な臨床データを解析し、最適な治療法を推奨する際に医師を支援します。
【遺伝子診断と予測】
遺伝子診断技術の進歩により、がんのリスクや特性をより正確に予測することが可能になりました。これにより、早期のがん発見や予防が可能になります。
【緩和ケアの強化】
最新のがん治療では、生活の質を向上させるための緩和ケアが重視されています。症状の管理や心理的な支援などが含まれます。
最新のがん治療は、個々の患者の特性やがんの種類に基づいて多様なアプローチを提供し、治療効果を最大化することを目指しています。
長寿高齢化時代になって、2人に1人が、がんに罹ると言われています。自分は大丈夫だと慢心せず、こまめに健康診断を受け、早期発見、早期治療をするのが、いつの時代になってもやはり一番の治療ですね。


By Admin|2023年11月13日|2023年,|


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