1ドル360円時代が再来⁉ 150円は通過点?

止まらぬ円安に、為替介入への警戒感がくすぶる中、1ドル=150円は“通過点”でしかなく、今後、長期に渡って円安が続く(当社予想360円5年以内)との見方が出ています。 

その背景には“日本ならでは”の実情が見えてきます

日本より弱い通貨は3つしかない!?

円安の進行で、円の購買力が大きく落ち込んでいます。日本円が“弱く”なっているのです。購買力は53年前に逆戻り、賃金水準は30年以上も横ばい…。すでに途上国にも追い抜かれ、このままでは“魅力のない国”になってしまいます。政府もいろいろと動いていますが、はたして、日本の社会構造は変えられるのでしょうか。

日本の購買力が大きく低下

年初来、世界の通貨で日本円より下落しているのはロシア(ルーブル)・アルゼンチン(ペソ)・トルコ(リラ)の3つ。アジアにおいては最弱の通貨となってしまいました。

日米の金利差に加え、原油・天然ガスの値上げ少子高齢化による労働人口の縮小、さらには円安が追い打ちをかけたことにより、貿易赤字が増大(過去最大20兆円)し、更に円が売られるという悪循環から抜け出せません。

日本円が弱くなる → 弱い通貨は売られる → 円安になる → 経済力が弱くなる → デフレが進行 →

デフレで弱くなった日本経済の評価には「円安」のレッテルが貼られ、その円安が、幅広い通貨に対して円の弱さを加速させ、実質実効レートが切り下がりました。

その結果、円安が進行し、今の水準が過去の固定相場時代(1ドル360円)の時代と同じになってしまいました。なんと53年ぶりの“購買力の低さ”です。

円の購買力は1970年代に逆戻り

日本円の総合的な力を測る指標として「実質実効為替レート」と呼ばれるものがあります。この指標は物価や複数の通貨間の関係を考慮し、円の実力を測るものです。

2023年11月の実質実効為替レートは71.39と、1970年以降の最低水準まで低下しました。

つまり、1ドル=360円の固定相場制だった時代と同じ購買力しかないということです。

このまま、賃金が上がらず、購買力が回復しない状況が続けば、円安に歯止めが利かなくなり、実際に、150円はもとより1ドル=360円という昭和40年代の固定相場のレベルまで下がることも考えられます。

銀行に預けていることは、日本円に投資していること

日本国内では、銀行に預けていれば安心と考えている人は多くいますが、外国から見ればどうでしょうか。

はたして、このような状況の中で、全財産を日本円に換える人はいるでしょうか。

これからは、世界情勢に視野を広げて、外から日本円を眺めてみることが重要なのではないでしょうか。


By Admin|2024年5月2日|ニュースリリース,|


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