充電池は火事のモト

どんなに頑張って減らしても、生活していれば必ず一定量のゴミは出るものです。
ですから、ゴミ収集のシステムは、私たちの日常の暮らしを支える重要なインフラの1つと言えますね。
もし、きちんと処理してもらえなかったら、大変ですよ。
ゴミがあふれて、住環境を衛生的に保つことが困難になります。
近年、その大事なゴミ収集の現場で、「火災」が頻発して困っているそうです。
収集車や処理施設の中で、突然、発火して、時には消火に半日も掛かるような大火事になることもあるそうな。
作業員が怪我をする危険性もあり、見過ごせない問題になっているのです。

何が発火しているのかと言えば、例えば昨年の東京消防庁のデータによると、「充電式電池」が24件で
最も多く、次いで「エアゾール缶」が10件、「ライター」が4件、「たばこの吸い殻」が1件・・・
これは論外ですが。
原因のゴミが特定できないものを含めて50件以上の火災が起きたそうです。
スプレー缶は、ガスを完全に抜いてから、他のゴミとは別に分けて出す、というルールはかなり以前
から周知されてきましたね。
ガスが残っている缶が普通の「不燃ゴミ」や「燃えるゴミ」に混ざっていると、気づかないまま、
収集車や処理施設の破砕機に掛けられて爆発するから危ないのです。

そして最近、増えているのが、「リチウムイオン電池」による火災だそうです。
先述のデータでもダントツの1位に挙がっています。
リチウムイオン電池は、携帯電話やノートパソコン、モバイルバッテリーなどに幅広く使われている
充電式電池ですが、やはり、破砕機で押しつぶされた際に発火するケースが多いそうです。
電池の仕組みを詳細に説明しようとすると、筆者の知識ではちょっと難しいので簡単にしておきます
が、要は、プラス極とマイナス極があり、マイナスからプラスへ電子が移動することによって生まれる
エネルギーが電気であって、使い捨ての乾電池の場合は電子が移動し切ったら終わりですが、充電池
は、電子をマイナス極に返して、元に近い状態に戻すことが出来るので、繰り返し使うことが出来る
わけですね。
現代のモバイル社会には欠かせない、ありがたい道具なのですが・・・。
電池の中で生まれた電気は、正常であれば、プラス極から、家電製品などの大きな電気抵抗を有する
物質を通ってマイナス極へ流れます。
プラス極とマイナス極が、直接つながることは、本来は無い(ように出来ている)。
ところが、外部から強い衝撃が加えられたりすると、弾みで(?)両極が直接つながってしまうこと
があるらしいのですね。
・・・まあ、両極が同じ入れ物に入っているのだから、それほど不思議なことではありません。
これを短絡(ショート)するといいます。
短絡が起きると、物凄く大きな電流が流れます。
家電製品などの抵抗が間に入っていないので、ほとんど減衰無しの元気過ぎるエネルギーが駆け巡る
ことになり、周囲を焼き切って発火するということですか。
充電池の方が、この短絡が起こりやすいらしくて、他のゴミに紛れた充電池がうっかり破砕機に放り
込まれて発火するケースが多いようです。
これは、ゴミを出す私たちの責任ですね。
電池はちゃんと別に分けて、決して他のゴミに紛らせてはいけないのであります。

ところで、使い捨ての乾電池も、短絡して発火することがあります。
それが起こりやすいのはボタン電池だとか。
ついまとめて重ねてしまいそうになりますが、うっかりプラス・マイナス異極同士をくっつけて保管
したりすると、電池の外側の金属が導体になって、短絡が起きてしまうそうですよ。
電池は、ビニールテープなどを巻いて、絶縁処置してから保管するようにしましょう。


By Admin|2023年7月21日|2023年,ニュースリリース|


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