日本とアメリカが逆転!それでも続くインフレ狂騒曲

つい先日の日曜日、バスに乗って出かけたら、1ヶ月前までは170円だった運賃が、いきなり190円に
上がっていてびっくり致しました(前払いで料金箱に硬貨を入れて乗り込んだら、運転手さんに、
お客さ~んと呼び止められてしまった・・・)。
JRの初乗り運賃も140円から150円になったし、じわじわと値上げの波が身近に押し寄せてきた感じ
です。
さらに出かけた先でも大波をかぶることに・・・。
弦楽器の弦を交換しようと思って楽器屋さんに行ったら、前回までフルセットで8,000円だったもの
が、11,000円を超えておりました。
プラス消費税で、どーんとお財布に衝撃が走ります。
・・・今さらですが、弦は輸入ものでしたわね。
どうやら円高時代に入荷したストックが売り切れたようで、いよいよ円安の影響をマトモに実感させ
られたというわけです。

そういえばここ数日のニュースで言っておりました。
7月は食品など3500余りの品目が値上げされたけれど、8月も、食品で1100品目ほどが値上げされる
予定だそう。
しかも、牛乳やヨーグルトなどの乳製品が目立ち、これらは消費者が敏感に反応する品目なので、
消費者の間で生活防衛の志向が広がり、「買い控え」が顕著になるかもしれないと、心配されている
とのこと。
確かに、牛乳やチーズやヨーグルトは毎日の食卓に欠かせない食品ですからね。
値段に対してシビアになるのは仕方ありませんが。
しかしその一方で供給元の酪農家からも、悲鳴が上がっているのです。
日本有数の酪農地帯である北海道・十勝地方では、牛のエサ代や厩舎で使う電気代が、2年前に比べて
1.4~1.5倍ほどに上がっているそうで、酪農家はどこも経営に苦しんでいる。
消費者に対して理解を求め、どうか買い支えて欲しいとお願いする声が聞かれるそうです。
経営難に耐えきれずに廃業する酪農家が増えたら、ただでさえ食糧自給率が低いと言われる日本の食卓
が、ますます危なくなります。
ここはひとつ、値上がりを受け入れて、これまで通りに買い物するべきなのでしょうね。

ところで今、アメリカでは、異常なスパイラルが起きているようです。
新型コロナのパンデミックが起きた時に、職を失った人は多かったと思いますが、その人たちがパンデ
ミック収束後もなぜか戻って来ない。
お店の営業を通常通りに戻そうとしても、従業員が帰ってこないので、出来ない。
みんな一体どこへ行ってしまったの??
コロナで押し込められている間に、どうやら在宅勤務が板に付いてしまった人も多いらしい。
昔とは違って多様な働き方が選べる時代です。
再びパンデミックが起きても失業のリスクが低く、安全な環境で働ける職業にシフトしてしまったと
いうことですか。
コロナを機に、仕事に対する考え方を変えた人は多かったようですね。
とにかく企業の間では、人手を確保しようとして賃金を上げる傾向が続いているとか。
すると今度は、もっと待遇の良い職を求めて転職する人が増える。
企業は従業員を引き止めるためにまた賃金を上げる。
こうして人材獲得競争が過熱して人件費がどんどん上がれば、それが原因で物価もまた上がるという・・・。
アメリカはこの1年余りの間に、さかんに利上げを行って、インフレを抑え込もうとしてきたはずです
が、なかなか思い通りには行かないようです。

対岸の火事ではありませんよ。
インフレに関してはアメリカには叶わないだろうと思っていたら、今年6月の消費者物価指数が、
アメリカが前年同月比で3%の上昇であったのに対し、日本は3.3%上昇、とうとう、物価の上昇率に
おいてアメリカの上を行ってしまいました。
数字だけではなく、日常生活において明らかに出費が増えたと感じる場面も多くなりました。
しかも、日銀は相変わらずの低金利政策を続ける構えでいるので、インフレはまだまだ進むと考えられ
ます。
・・・日銀には金利を上げたくても上げられない事情もあります。
1,200兆円を超える債務を抱えている為、うっかり金利を上げたら、利払いに四苦八苦する羽目になる
のです。
そうであれば今後、たとえアメリカが金利引き下げに転じたとしても、円安を回復するのは難しいかも
しれません。
日本の物価上昇は、急激な円安ドル高が大きな原因になっているわけですから、今後も輸入品の高値は
続き、物価上昇が収まる見通しは、なかなか見えてこないという現状です。


By Admin|2023年8月4日|2023年,ニュースリリース|


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